国への忠誠

国への忠誠

李舜臣が官職にあがって戦死するまで見せた忠義の姿はどれか一つを挙げて話せないほど彼の行跡があちこちに残っている。それは戦争前後のすべての時期を通して、一度も乱れずに一貫した、また平凡な個人が持つ単純な観念を跳び越えた超人的性格を備えている。彼の諡号である忠武からもわかるように、武人としての国家に忠誠をつくそうとする気概と使命感を明確にしている。

李舜臣の揺れることのない忠誠心は、二回の白衣従軍を体験する苦行を通じて、より一層際立つ。理性的に到底うなずくことのできない不当な処罰を忍耐と沈黙で耐えることができたのは、ただ戦乱で国民を救おうとする愛国の一念からだった。これは忠の思想の絶頂であり、人間的な水準を越えた忠誠心の極限状態ということができる。